der Luftangriffe auf Tokio (東京大空襲)

 父の家族は昭和20年三月十日の東京大空襲でほとんど亡くなりました。生き残ったのは陸士にいっていた父と結婚したばかりの伯母、学童疎開をしていた叔母だけで、私の曽祖母、祖父母、伯父、叔父、三人の叔母は自宅の防空壕で焼け死んでいたそうです。家族の中で弟の昇三さんは年が近かったのか特別父と仲がよかったようです。生前の父から叔父の面白いエピソードを何回か聞いたことがありました。しかし私は彼の顔を知らないのです。ただの一枚も写真が残っていません。あるのは在学していた旧制市川中学の卒業証書と銃剣道初段の免状と勤労動員の勧請だけです。悲しいのは卒業証書の日付が三月三十一日になっていることです。十日に亡くなっているので時期的には微妙ですが自身で受け取ったのか?死後生き残った誰かが取りにいったのか?は今となっては定かではありません。確かに地上戦となった沖縄、原爆を落とされた広島、長崎は悲惨ですが、東京の一般庶民も酷い目にあっていること忘れないで欲しいものです。江戸っ子は忘れっぽいのかなぁ・・・