

ドイツで驚いた食べ物や飲み物の一つが、燻製ビール(Rauchbier)でした。
初めて飲んだのは、バンベルクの丘の上に建つ大聖堂でコンサートを聴いた帰りに入ったレストランでした。同僚から「バンベルクに来たのだから、これを飲まなければ」と勧められて注文したのがRauchbierです。
一口飲んだ瞬間、「ビールなのにカツオ節の味がする!」と思わず笑ってしまいました。
最初は「ビールをどうやって燻製にするのだろう?」と思いましたが、後になって、ビールそのものを燻すのではなく、原料となる麦芽を燻煙してから醸造するのだと知り、「なるほど」と納得しました。
ドイツでは燻製ウナギや燻製ハム、燻製ソーセージなど、燻製食品が数多くあります。これは燻製の香りを好むというより、長い冬を越えるために保存食として発達した食文化の名残なのでしょう。
昼食には温かい料理を食べることが多いものの、夕食はKaltes Essen(カルテス・エッセン)と呼ばれる、パンにハムやチーズを並べた冷たい食事で済ませる家庭も少なくありません。ビールやソフトドリンクも、日本人なら「冷えていない」と感じるような温度で出されることも珍しくありません。
日本では「温かいものは温かく、冷たいものは冷たく」が当たり前ですが、ドイツでは保存性や素材そのものを重視する食文化が今も色濃く残っています。














