ニス(Lack)

 楽器がそろそろ出来上がりそうなのでニス作ります。私は、全ての樹脂を混ぜ合わせて、湯煎や人工的に熱を加えたりせず、三ヶ月〜半年ほど日のあたる窓際に置いておきます。樹脂ごとに溶解(Loesung)してから混ぜる場合もありますが、面倒くさいので全部混ぜてしまいます。溶けているか、いないか気にせずフィルターで濾して楽器に塗付しています。良いか、悪いかは別にしていつも同じ方法で行っています。ニスの基本的な成分は、Stocklack,Sandarack,Benzoe。これらの樹脂だけでは、ニスが硬すぎるので軟化剤として補助的に、Propolis,Elemi,Mastix,Venetianisches Terpentin等をその時々によって選択して少量いれます。硬いニスは、仕上げが楽ですが、音響的にも耐久性からもあまり良いものではありません。また触っただけで傷や痕が付くような軟らかいニスでは、演奏をする道具として失格だと思います。その塩梅が難しいところです。色素は、Drachenblutが基本ですが、Gummi Gutti,Curcumawurzel,Aloe,Fernambuk,Akaroidやその他の天然色素を求める仕上がり色によって足します。色素もニスの硬、軟に影響を与えます。また色素を入れすぎるとひび割れの原因(特に、Aloeを入れるとニスの伸びが非常によくなり塗りやすくなりますが、入れすぎると収縮してヒビ割れの原因になります。)になります。結果がすぐわからないので分量が難しいですね。ニスのレセプトを詳細に記録しておくことが重要です。ニスに関しては、製作工程で詳しく述べようと思っています。でもニスってカレー自慢に似ています。隠し味が秘伝なんでしょうが、たいした秘密なんて無いんじゃないでしょうか?Curcumawurzel(クルクマ)は、カレー粉だしね!